クリーンルーム内の異物とは

クリーンルームにもクラス分けがある

製造加工産業界にとって、クリーンルームというのは製品の質を左右するとても重要な設備です。
現代は精密機器の重要性が増していますので、ちょっとした異物が入り込んでしまうだけで、製品全体の品質が落ちてしまうことがあります。
そこで、クリーンルームをより高性能なものとし企業に導入するのは、生産活動、しいては経営にも大きな影響を与えるものとなるです。

まず、クリーンルームにはいくつものクラスがあることを覚えておきましょう。
クリーンルームのクラスは、単純にクラス100、クラス1000、クラス1000というように数字分けされていたり、ISOクラス5、ISOクラス6、ISOクラス7のように規格によって分類されていたりします。
こうしたクラス分けは、どのくらいの精度で異物を除去できるかを示しているもので、基本的には数字が大きい方がより高性能なクリーンルームということになります。

様々な種類の異物がありトラブルを引き起こす

クリーンルームの役目は工場や検査施設に異物を持ち込まない、除去するというものですが、その対象となる異物にはいろいろな種類があります。
製造プロセスによって、よりトラブルを引き起こしやすい異物もあればそうでないものもあります。
そのため、クリーンルームを設置する際には、製品製造においてどの異物を排除することが重要で、そのために強いクリーンルームはどれかということを考える必要があります。

たとえば、食品関連の工場では、清潔さを落としてしまう昆虫類や髪の毛など、金属やガラスなどのかけらなどが厄介な異物になります。
医療関連施設においては、やはり昆虫類や皮膚類、繊維くずなどが除去すべき対象となります。
また、多くの工業系工場においては、金属片やホコリなどがあります。

こうしたそれぞれ異なる種類の異物をしっかりと除去できるかどうかということを見極めることが、クリーンルームを選定する際に考えるべきポイントとなります。
もちろん、高性能なものほど、より多くの異物に対応できる傾向がありますが、特定の異物に強い製品もありますので注意が必要です。

規格の違いをしっかりと把握しておくべき

今までクリーンルーム導入の実績がない場合、どのタイプのクリーンルームを入れたらいいかというのが大きな問題となります。
たくさんのメーカーがありますし、規格も異なるケースがありますので、知識がないと生産活動に合わないものとなってしまう危険があるのです。
そのため、メーカーの営業担当からの説明だけで満足せず、クリーンルーム全般についての勉強を行い、どのようなものが良いのかをしっかりと調査した上で、一番ニーズに合った製品を選ぶことが重要なのです。

エコクリーンルーム

クリーンルームの維持にはコストがかかる

食品や精密機器などの製造には、クリーンルームの導入が欠かせませんが、クリーンルームには導入のための初期費用だけでなく、運用のためのコストも定常的にかかります。
空調機器は24時間常に回しておく必要がありますので、電気代が一定額かかるという面は、企業にとって負担となることもあります。
クリーンルームは、実際の作業をしていないときでも、空調を回していないと、どんどん汚染物質が溜まってきてしまうため、常に稼働していることが求められますので、この面でのコスト削減をするのは事実上難しいものがあります。

そのため、最初から運用コストが低いクリーンルームのシステムを導入することがとても重要なのです。
この点、エコクリーンルームは効率的な空調システムを備えていて、運用コストを下げられるというメリットを持っています。

従来のクリーンルームのシステムは、いくつもの空調機を同時に回しますが、気流が不安定になり塵の舞い上がりなども多くなるため、換気回数が多くなるという弱点を抱えていました。
しかし、このエコクリーンルームでは、空調機を統一して、風の流れを一定方向にすることによって無駄な換気回数を減らし、エコな運用ができるように工夫されているのです。

省スペースで工事も楽というメリットもある

従来のクリーンルームのシステムでは、天井裏にダクトを設置して、別に機械室を設ける必要がありました。
しかし、このエコクリーンルームではせり出した形で、室内にライン式ダクトを設置できますし、統一ユニットを採用することで機械室を設置しなくても済みますので、かなりの省スペースとなります。
また、それに伴って、導入時の工事がとても楽で短期間で済みますし、メンテナンスもしやすいというメリットが生まれています。

クリーンルームの効率を保つためには、常にしっかりとしたメンテナンスをする必要がありますが、その作業もスムーズに行えますので、生産活動の妨げとなる要素を減らすことにもつながります。
室内の広さを確保しやすいというメリットも生まれますので、作業がよりしやすくなって、生産効率も上がるという利点もあります。

一個のフィルターを交換するだけで済むようになる

エコクリーンルームでは、一つの空調機につき一個のHEPAフィルターを着けるという方式ではなく、統合されたシステムを持っていますので、フィルターの数を大幅に減らせるという利点があります。
定期的な交換をする際にも、フィルターの数を減らせますので、とてもエコでコストを削減できるのがうれしいところです。
このように、エコクリーンルームは効率の良いシステムを採用し、運用コストを低くできるという大きなメリットを持っていますので、新たにクリーンルームを導入することを考えている企業は、積極的に選択肢に含めて考慮することができるでしょう。

局所クリーンブース

必要なところにだけクリーンルームを設置することができる

品質管理をするにあたってクリーンルームを設けるというのは重要なプロセスとなります。
しかし、すべての工程においてクリーンスペースが必要となるわけではないというケースもあります。
そのような時には、通常のラインの中に、クリーンスペースを限定的に設置するという方法を採ることができます。

その方法において有効なのが、局所クリーンブースです。
この局所クリーンブースとは、気密性の高いシートやパネルなどで一定の場所を囲って、そこにフィルターや空調システムを置くことによって、そこだけをクリーンルーム化することができるというシステムです。
効率よくスペースを使うことができますので、コストをあまりかけずに作業環境を改善できるという大きなメリットがあります。

よりクリーンレベルの高いスペースを作るのにも役立つ局所クリーンブース

局所クリーンブースの利用方法は、限定的にクリーンルームを作るというだけではありません。
すでにクリーンルームができているところにおいても、局所クリーンブースを設けることができます。
その目的は、その部分だけさらにクリーンレベルの高いスペースとするということです。

クリーンルームがすでに設置されている場合、よりレベルを上げるとなると、かなり大きな作業が必要となるケースもありますが、部分的にレベルを上げるだけで済むのであれば、局所クリーンブースを利用するのがベストです。
設置のための工期はかなり短くて済みますし、小さなスペースでクリーンブースを設置できますので、普段の生産活動を邪魔せずに新たな設備導入ができるのが魅力です。

様々な統合システムも魅力的

局所クリーンブースでは、しっかりとしたモニタリングシステムを備えていますので、常に間違いのない品質管理ができるというメリットもあります。
24時間体制で温度管理やクリーン度のチェックができますし、パソコンで様々なデータを一元管理できるようになっていますので、運用コストも抑えられるのが特徴です。
メモリーに管理データを保存することもできて、確実な管理を望む企業にとって大きな助けとなることは間違いありません。

また、局所クリーンブースのシートを不燃性の高いものにすることによって、様々なタイプの作業に応用できるというのも特徴となっています。
作業現場で用いる機材や材質、製品の種類によっては不燃性が求められるケースもありますので、こうした応用の利くブース設営ができるというのは重要なことです。
いろいろなタイプの工場で設置できるのがメリットとなっていますので、気軽にクリーンルームを導入することができて、コスト面での不安を抱えている企業でも無理なく必要な環境を手に入れられるでしょう。

クリーンルーム導入のメリット

デメリットを上回るほどのメリットがあるクリーンルーム導入

クリーンルームを導入する必要性がそれほどないのではないのか、と考えている企業は、多くの場合クリーンルーム導入のデメリットを重要視しがちです。
クリーンルーム導入にあたってのデメリットは、ほとんどの場合コストの問題です。
高度な設備を導入することになりますので、当然初期費用がそれなりかかりますし、運転費用も定常的にかかってきますので、コストという面では大きな負担を感じることがあるでしょう。

しかし、長期的に見ると、また総合的な観点から見ると、こうしたコストというデメリットを上回るほどのメリットがあるのも事実です。
初期投資費用に見合うだけの製品品質の向上が見られますし、ブランドイメージの向上や宣伝効果というのも非常に高いものがあります。
また、何らかの事故やミスを防ぐためにもクリーンルームは重要な役割を果たしますので、潜在的な効果も大変大きいと言えるでしょう。

クリーンルーム導入は宣伝効果がとても高い

クリーンルーム導入は通常品質管理の向上のために行われるというイメージですが、実際には企業や製品の宣伝効果を同時に狙っているケースが非常に多いのです。
消費者は、安全でクリーンな環境で作られた食品や化粧品の方を信頼する傾向が強いので、企業がクリーンルームを導入してそこで作っているという事実は、ブランドのイメージを向上させるのに大きなプラスの影響となります。
宣伝費をクリーンルーム導入に充てるという意識で考慮するのも良いでしょう。

また、クリーンルームを入れることによって、作業員の意識を向上できるというのも大きなメリットとなります。
きれいな環境で製品を作っているという意識を持つことによって、工場への出入りなどにより神経を遣うことになりますし、製造作業そのものについてもよりデリケートになるというメリットもあります。
結果としてより良い製品を作ることにつながりますので、クリーンルーム導入がもたらす益は非常に大きいと言えるでしょう。

品質向上には欠かせないクリーンルーム

食品を製造するにしても工業製品を作るにしても、クリーンルームを持つというのは大きな意味を持ちます。
ごみや塵などの汚染物質が製造現場に入り込むことを防ぐことによって、飛躍的に品質向上が見込めますし、歩留まりを改善するのにも助けとなります。
品質管理もしやすくなりますので、作業効率が上がるというメリットもあります。

製品に異物が混入するなどの事故を防ぎ、万が一の事態を起こすリスクを最低限にまで下げられるというのも、リスクマネジメントという観点から見て重要なポイントです。
様々なメリットがありますので、真剣にクリーンルーム導入の可能性を考えてみるのは大事なことです。