半導体工場

半導体工場への設置

クリーンルームの導入が考えられる場所として、まず一つめに紹介するのは「半導体工場」です。
半導体というのはコンピュータや家電のような電子機器に組み込まれているプログラミング部分であり、非常に重要な役割を担う部品のことを指しています。
シリコンを使って作られることから、シリコンバレーやシリコンベルトと呼ばれるような場所で作られることが多いのですが、何故この半導体工場でクリーンルームが必要になるのでしょうか。

まず大きな理由の1つとして挙げられるのが「金属原子」の存在です。
電子回路の中に金属原子が存在すると、電子回路自体の回線に問題が発生し、上手く動作が出来なくなってしまいます。
これは「トラップ」という現象が起こるためで、いわばその原子がある部分を電気が寄り道をしてしまうようになる現象です。
このようなことが起こると正常な電流状態にならないため、思ったような動作をしない、ということで出来る限り「金属原子」の混入を防ぎたい、というのがクリーンルームを設置する一つ目の理由となります。

次に2つ目の理由であるのが「有機物ダスト」の存在です。
有機物ダストが半導体上に乗ってしまい、その上でパターン形成を行ってしまうと、ダストがパターンの中に含まれることになってしまいます。
こうなるとその後そのパターンを元にして作るものは全て不良品になってしまうことになります。
イオン注入の際にも有機物ダストが邪魔になり、正常な注入が行われなくなってしまうため、出来る限り排除したい、というわけです。

そして3つ目の理由であるのが「CVDを阻害する物質」の存在です。
上記の有機物出すともそうですが、それ以外にも表面に付着することによってCVDの作用を邪魔する物質というのが存在しています。
ごく薄い物質であっても邪魔になるため、これらが混入することを防ぐ必要があるわけです。

小さな部品

半導体工場で作られている部品というのは、そのほとんどがごく細かい、ごく小さい部品です。
これが大きな部品であれば、上記のような小さな原子やダストというのはそれほど問題にはなりません。
しかし小さいが故に、小さな物質が干渉してしまうだけで大きな問題を引き起こすことになるわけです。

普段生活をしているとまったく意識しないことですが、人間というのはとかく多くの汚れを抱えているものです。
それ自体がダストの発生源であるため、どうしても自分の意識だけでダストが発生しないようにすることは出来ません。
それをサポートするためにクリーンルームが必要となるわけです。
クリーンルームを利用することで、人体から無意識の内に発生してしまうダストの発生を抑止する必要があり、そうしなければ半導体は正常に作ることが出来ません。