1. >
  2. >
  3. パスボックス

パスボックス

パスボックスの特徴と用途とは?

パスボックスというのは、室内と外部で物品や材料、機械などの受け渡しをするための装置を指します。
通常の空間であれば、ドアを開けて人が出入りすることで簡単に物の受け渡しができます。
しかし、クリーンルームのように外部と遮断された空間では、物の受け渡しは簡単にはできません。
人が出入りする度に服を着替えたり洗浄したりする必要がありますので、かなり面倒で時間がかかってしまうわけです。

また、洗浄をしても人の出入りが多くなると、どうしてもクリーンルーム内の清浄度が下がってしまうものです。
そこで、人が出入りすることなく、物だけをやり取りできるようにしたのがパスボックスです。

いろいろな形がありますが、多くはクリーンルームの外壁に設置されて、両方に密閉できるドアが付いている形状です。
物を入れる時に片側のドアを開けて物品をパスボックス内に置き、ドアを閉めます。
壁の向こうにいる人が今度は別のドアを開けて、物品を取り出してから再度ドアを閉めます。
こうして、直接外気に触れることなく物品のやり取りができるわけです。

このパスボックスは、電子部品製造の工場や無菌治療室、バイオ関係の培養ルームなどで使われることが多いです。
製薬工場や印刷工場などでも設置されていることがあって、その大きさは様々です。
また、単に密閉ドアが付いているだけのものから、シャワータイプで洗浄もしてくれるもの、ある程度離れたところから物品を移動できるベルトコンベアタイプなどもあります。

パスボックスの必要性について

パスボックスは、まずクリーンルーム内の汚染リスクを減らすために必要な装置です。
外部との接触をできるだけ減らすことで、異物や微粒子の侵入を阻止できるからです。

その上で、作業の効率化を図るために必要なものとも言えます。
物品のやり取りは本来であれば、通常の出入り口を使って人が往来すれば良いだけの話です。
しかし、いちいち洗浄の手間をかけて搬送すると時間がかかりますし、移動経路も長くなります。
そこで、物品の搬送経路にダイレクトにパスボックスを組み込めば、最短距離で物品を移動できるわけです。
しかも人の往来がないので、手間がかからず作業プロセスが減ります。

また、洗浄機能が備わっているパスボックスは、物品そのものを洗浄する意味で必要性があります。
人が持ち込む汚染物質を減らせるだけでなく、パスボックス内でエアシャワー処理ができれば、細かなところに入り込んでいる恐れがある粉じんを取り除くことができます。
中にはUV殺菌ができる装置もありますので、細菌による汚染を防ぐためにも役立つわけです。
こうして、パスボックスはクリーンルームの洗浄度をキープすると共に、作業効率を上げるという意味で重要や役割を担っているのです。