印刷工場

印刷工場の仕事内容

印刷工場の仕事は、紙面にインクやローラーで印刷するという作業を行います。
人が一枚一枚を手作業するわけではなく、印刷機にインクやローラーを補充しながら印刷物を摺り上げていくため、印刷工場で働く作業員は主に機械の稼働状況を管理することが役割りとなります。

印刷の状態やインクの状態など、細かい点を見極める眼力やスキルが必要なお仕事なので、未経験の人がアルバイトで印刷工場で働くケースはそれほど多くありません。
経験値が高い作業員が働いている工場がほとんどで、印刷機の管理をしながら必要なインクを必要な場所まで運搬して補充するなど力が必要な職務もあります。

近年では、印刷を行う対象物は紙だけではなく、カラーフィルタや半導体などの分野へも進出する印刷企業が増えています。
半導体とカラーフィルタの分野は近年の成長が目覚ましく、特に半導体の分野に進出するかしないかによって企業の売り上げが大きく変わることは珍しくありません。

しかし、半導体の分野へ進出することによって印刷工場の作業環境に求められる衛生基準が大きく変わります。
半導体分野においては、印刷作業を行う場合でも低発塵性な作業環境が必要不可欠です。
そのため、クリーンルームを導入する工場も珍しくありません。

印刷工場にはクリーンルームは必要?

印刷工場では、必ずクリーンルームが必要というわけではありません。
広告や新聞など、紙の媒体に従来の方法で印刷を行うだけならクリーンルームは必要ないでしょう。

しかし、業務拡大などによってカラーフィルタや半導体の分野に進出するとなると、塵埃が徹底的に管理されているだけでなく温度や湿度も厳重に管理できるクリーンルームの設置が必要となります。
特にインクジェットプリンターを使った作業においては、クリーンルームがあると作業効率が大幅にアップできるだけでなく、図面や写真をはっきりと高精度に印刷できるなど品質にも大きな影響があります。

従来の印刷工場とは別にクリーンルーム機能を持つ工場を新設するというのは、大変な費用や時間がかかります。
そのため多くの印刷業界企業では、クリーンルーム施設を建設するよりも既存の印刷工場をクリーンルーム化するリノベーションで対応することが多いです。

印刷工場の場合には、1立方フィート当たりに許容される0.5μm以上の粒子は1,000個~10万個という清浄クラスが必要となります。
既存の工場のクリーンルーム化という方法でも、十分に対応することは可能です。
印刷工場によってはクリーンルーム化したことによって売り上げが右肩上がりに伸びたという例が多く、今後もクリーンルームが設置された印刷工場は増えていくと考えられています。