食品工場

食品工場ではクリーンルームは必須

私たちが口に入れる食品を製造する工場においては、クリーンルームは必要不可欠な存在と言えます。
もしも食品の中に虫や細菌などが混入していると、大勢の消費者が健康被害を受けるなど、社会を混乱に巻き込むリスクがあります。
それだけでなく、製造メーカーにとっても社会からの信用が失墜するでしょう。
消費者にとっても企業にとっても大きなダメージや損害につながる点が、食品工場にクリーンルームが必要不可欠な理由です。

異物混入による事故は、食品工場で起こるものが全体の半数近くを占めています。
そのため、そうした事故を可能な限り未然に防ぐためにはクリーンルームの導入がマストなのです。

食品工場の徹底したルール

クリーンルームを設置するだけでは、残念ながら異物混入を防ぐという目的を果たすことはできません。
クリーンルーム内は目に見えないレベルの塵やホコリなども存在しないほど、高い衛生性が求められます。
そのため食品工場のラインで働く人にとっても、そうしたクリーンルームの衛生面にマイナスの影響を与えないマナーが必要ですし、そうしたルールが設定されていることが多いです。

例えば、クリーンルーム内で作業をする際には私服での入室はNGです。
基本的には無塵衣と呼ばれるクリーンルーム専用の衣類に着替えたうえで、靴や靴下などもすべてクリーンルーム仕様のものに着替えなければいけません。
クリーンルーム仕様の衣類はホコリが出ない素材で作られており、ホコリや塵を静電気によって吸着することもなければホコリが透過しないメカニズムとなっている点が大きな特徴です。

またクリーンルーム内では、咳やくしゃみなども厳禁です。
作業するスタッフはそうした面からマスクの着用が求められますし、髪はすべてクリーンルーム仕様のキャップの中に収納しなければいけません。
また女性の場合、メイクもNGとなっている所が大半です。

食品工場に採用されているクリーンルームはバイオクリーンルーム

クリーンルームは、目的に合わせて大きく分類すると2タイプに分けられます。
1つ目は電子部品など精密機器を製造する工業用クリーンルームで、このタイプはわずかなホコリや塵でも製造ライン内に落ちて溜まることがないように、クリーンルーム内は常に循環清浄されている点が特徴です。
このタイプのクリーンルームは、デジタル家電や自動車の塗装ライン、また液晶の製造工場などに採用されています。

2つ目はバイオクリーンルームで、食品工場はこちらに分類されます。
ルーム内が常に循環清浄されているだけでなく、空間内の微生物を最大限にカットできる点がバイオクリーンルームの大きな特徴です。
ちなみにこのタイプのクリーンルームは、食品工場だけでなく医薬品の製造や手術室などにも採用されています。