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なぜクリーンルームウェア(クリーンスーツ)を着なければならないのか

クリーンルームウェアを着る理由とは?

クリーンルーム内では、粉塵や細菌を最大限に排除することによって空間内の衛生状況や異物の混入を防ぐことができます。
しかし、いくら空間内が清浄された環境でも、そこに入退室する人間が粉塵や異物を持ち込んだり、作業をしながらそうした異物をまき散らすのではクリーンルームの意味がなくなってしまいます。

人間が外部からクリーンルーム内へ持ち込む異物には、たくさんのものがあります。
例えば衣類に付着している糸くずや繊維などもクリーンルーム内では異物という扱いですし、皮膚から落ちる体毛や毛髪などをはじめ、皮膚や汗なども持ち込まれる異物の例として考えられます。
女性の場合には、メイクの粉塵などもあるでしょう。
その他、靴底や服のこすれなどによって発生する塵やホコリなども、クリーンルーム内では御法度です。

クリーンルームウェアとは、クリーンルーム内で作業をすることを想定して開発された特別な衣類で、防塵仕様となっている点が大きな特徴です。
人間から発生する塵やホコリを最小限に抑えながら、外部から汚染された物質もしくは汚染のリスクを持つ物質が入り込むことを最大限に防ぐことができます。

現場に応じて適切なクリーンルームウェアが必須

クリーンルームには、目的に応じて様々なスペックや種類があります。
それに対応して、クリーンルームウェアにも目的や現場の作業環境に適したものが複数あります。
クリーンルームウェアを選ぶ際には、どんな環境でどのような作業をするかに合わせて適したウェアを選ぶ必要があるのです。

クリーンルーム内での作業には、例えば半導体やデジタル系のデバイス製造をはじめ、医薬品や化粧品、食品などを製造することもあります。
さらには病院やクリニックでの手術環境、研究所などの研究施設などもありますし、再生医療のための細胞加工を行う施設などもあります。
そうした目的や作業内容に合わせたクリーンルームウェアを選ぶことは、クリーンルーム内での作業の質を高めると同時に、不良品やスクラップのリスクを最小限に抑えることにもつながります。

例えばクリーンルームウェアの中でも最高レベルのウェアは、人間から発生するすべての異物を遮断できるよう袖や裾の部分は二重構造となっていたり、フルフェイスのマスクで汗や飛沫の混入も防げる仕様となっています。
そこまで徹底した仕様でなくても問題ないクリーンルームウェアなら、クラス100からクラス10,000まで対応可能な清涼ウェアもありますし、作業する人の動作性や通気性を重視したクリーンルームウェアもあります。
基本的にはどの仕様のクリーンルームウェアを着用する際にも、クリーンルームへ入室する前には手指消毒を行ったり、髪はヘアネットの中に収納したり、シューズや手袋、ミドラーなどを着用するなど、細かい部分にも注意が必要となります。