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給排気システムについて

一方向流方式クリーンルームとは?

一方向流方式クリーンルームとは、部屋全体で気流が一定の方向に流れるクリーンルームのことを指します。
気流を一定方向に維持するためには、天井全体および壁一面に高性能のフィルタを配置する必要がありますが、その際にはHEPAフィルタやULPAフィルタなどが多く採用されます。

一方向流方式クリーンルームにおいては、コンタミナントは気流に押されて室外へ排出されるという特徴があります。
作業を行う室内にコンタミナントが滞留・蓄積しづらいという点がこのクリーンルームの特徴です。

一方向流方式クリーンルームでは、換気の回数は1時間当たらい200回~300回以上が必要となります。
しかし、清浄度が5以上という高いレベルで清浄空間を形成できるという点がメリットです。

このタイプのクリーンルームでは、イニシャルコストおよびランニングコストが非一方向流方式クリーンルームと比べて割高となる点が挙げられます。
またクリーンゾーンを拡張したり、配置換えや移動をする事は構造上難しくなってしまいます。

非一方向流方式クリーンルームとは?

非一方向流方式クリーンルームとは、クリーンルームの給排気システムの点で一方向流方式クリーンルームと比較されるタイプのクリーンルームです。
このタイプは、室内の壁面や天井の全面ではなく一部に高性能のフィルタを設置するとともに、別の部分には排気口として機能するダクトを設置します。
清浄な空気を室内に供給するとともに、室内で発生したコンタミナントをできるだけ希釈した状態で輩出しようというのが非一方向流方式クリーンルームのメカニズムです。

非一方向流方式クリーンルームは、一方向流方式クリーンルームと比較すると清浄度は若干低くなるというデメリットがあります。
実現可能な清浄度は、クラス6~8程度です。
ただし、初期費用やランニングコストを抑えられるというメリットがあるためコスト重視でクリーンルームを設置したい際にはおすすめです。

ただし非一方向流方式クリーンルームは、清浄な空気が噴き出す部分と噴出さない部分とがあるため室内の清浄度は均一ではありません。
そのため、ところどころに気流が発生しやすい傾向があります。

気流が発生すると、そこに乗ったゴミや異物などの粒子が製品汚染のリスクにつながってしまう可能性があります。
非一方向流方式クリーンルームを設置する際には、製品汚染のリスクに対しては、さまざまな対策を講じることが必要です。
給排気システムの構造によって分類できる一方向流方式・非一方向流方式クリーンルームですが、クリーンルームは他にも分類方法がいくつかあり、目的や用途、リスク管理によって分類できます。