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ハザードルームの主な用途

ハザードルームとは?

外部からの汚染物質を作業スペースに持ち込むことを防ぐため、徹底した空気清浄を行うクリーンルームは様々な作業分野で利用されています。
しかし、クリーンルームは外部からの汚染物質流入を防ぐ以外でも利用されているのです。
逆に、作業スペースにおいて汚染物質が発生する業務で、その汚染物質が外に飛散しないようにする目的でもクリーンルームが設置されています。

たとえば自動車などの塗装工程では、有機溶剤や塗料が微粒子となって空気中に入り込み、簡単に外部に飛散してしまいます。
もしこうした汚染物質が拡散すると、塗料による汚れや有機溶剤を吸い込むことでの体調不良、機器の故障などを引き起こしてしまいます。
そこで、内部で空気を清浄化することによって、室内にいる作業者も外部の人たちも安全に守ることができるのです。

この室内で発生する汚染物質を外部に流出させない目的でのクリーンルームには、いくつかの種類があります。
その一つがハザードルームと呼ばれるものです。
人体に何らかの悪影響を及ぼす物質や細菌、ウイルス、生物を扱う、もしくは発生させる作業をする場合に使用するものです。

一般的なクリーンルームとは逆の仕組みを持っていて、室内の空気を排出する際に、高精度のエアフィルターに通してクリーンにしてから外に出します。
そして多くの場合、室内を陰圧、つまり気圧を低く保つことによって、室内の空気が空気圧の違いから外に漏れにくくしています。

ハザードルームの用途と利用されることが多い分野について

ハザードルームは、その用途によって種類が分かれています。
たとえば、バイオハザードルームは生物学的に危険なものを取り扱います。
病原体となる微生物や細菌、ウイルスなどを研究したり実験したりするケースです。
このバイオハザードルームが使用される分野としては、動物実験室や隔離病室、感染症研究所などです。
また、製薬工場でもウイルスや細菌を扱う部署ではバイオハザードルームが設置されていることが多いです。

もう一つは危険な化学薬品を扱う場合で、ケミカルハザードルームと言われるクリーンルームを使用します。
塗装スペースも一種のケミカルハザードルームと言えるでしょう。
また、有毒ガスが発生するプロセスが存在する薬品工場や素材研究所などでも導入されています。

どちらのタイプのハザードルームであっても、その扱う物質や発生する量やリスクなどによって異なる安全基準が設けられています。
特にバイオハザードルームにおいては、非常にリスクの高い病原体を扱う際には、クリーンルームのレベルだけでなく研究所自体も指定されています。
周りの環境や周辺住民を守るためにも厳密なルールに基づいて運用されているわけです。