なぜクリーンルームウェア(クリーンスーツ)を着なければならないのか

クリーンルームウェアを着る理由とは?

クリーンルーム内では、粉塵や細菌を最大限に排除することによって空間内の衛生状況や異物の混入を防ぐことができます。
しかし、いくら空間内が清浄された環境でも、そこに入退室する人間が粉塵や異物を持ち込んだり、作業をしながらそうした異物をまき散らすのではクリーンルームの意味がなくなってしまいます。

人間が外部からクリーンルーム内へ持ち込む異物には、たくさんのものがあります。
例えば衣類に付着している糸くずや繊維などもクリーンルーム内では異物という扱いですし、皮膚から落ちる体毛や毛髪などをはじめ、皮膚や汗なども持ち込まれる異物の例として考えられます。
女性の場合には、メイクの粉塵などもあるでしょう。
その他、靴底や服のこすれなどによって発生する塵やホコリなども、クリーンルーム内では御法度です。

クリーンルームウェアとは、クリーンルーム内で作業をすることを想定して開発された特別な衣類で、防塵仕様となっている点が大きな特徴です。
人間から発生する塵やホコリを最小限に抑えながら、外部から汚染された物質もしくは汚染のリスクを持つ物質が入り込むことを最大限に防ぐことができます。

現場に応じて適切なクリーンルームウェアが必須

クリーンルームには、目的に応じて様々なスペックや種類があります。
それに対応して、クリーンルームウェアにも目的や現場の作業環境に適したものが複数あります。
クリーンルームウェアを選ぶ際には、どんな環境でどのような作業をするかに合わせて適したウェアを選ぶ必要があるのです。

クリーンルーム内での作業には、例えば半導体やデジタル系のデバイス製造をはじめ、医薬品や化粧品、食品などを製造することもあります。
さらには病院やクリニックでの手術環境、研究所などの研究施設などもありますし、再生医療のための細胞加工を行う施設などもあります。
そうした目的や作業内容に合わせたクリーンルームウェアを選ぶことは、クリーンルーム内での作業の質を高めると同時に、不良品やスクラップのリスクを最小限に抑えることにもつながります。

例えばクリーンルームウェアの中でも最高レベルのウェアは、人間から発生するすべての異物を遮断できるよう袖や裾の部分は二重構造となっていたり、フルフェイスのマスクで汗や飛沫の混入も防げる仕様となっています。
そこまで徹底した仕様でなくても問題ないクリーンルームウェアなら、クラス100からクラス10,000まで対応可能な清涼ウェアもありますし、作業する人の動作性や通気性を重視したクリーンルームウェアもあります。
基本的にはどの仕様のクリーンルームウェアを着用する際にも、クリーンルームへ入室する前には手指消毒を行ったり、髪はヘアネットの中に収納したり、シューズや手袋、ミドラーなどを着用するなど、細かい部分にも注意が必要となります。

日本水処理工業株式会社

日本水処理工業株式会社はどんな清掃業者?

日本水処理工業株式会社は、水と空気のゼネラルメンテナンスをモットーとする清掃業者で、大阪市に本社を設置しています。
京都や姫路、そして神戸と名古屋に営業拠点を展開し、関西と愛知県にかけて幅広くサービスを提供しています。
清掃事業の範囲は広く、空調機器の設備化学洗浄に加えて、水や大気の環境軽量作業や貯水槽の清掃、また排ガスや大気など目には見えない異物や汚染に関する測定作業などを行います。
クリーンルームの清掃やパーティクル測定、またメンテナンスや集中クリーニングまで、クリーンルームに必要なすべての作業や管理維持をワンストップで対応できるという点が大きな特徴です。

クリーンルームを新規設置する際には、設計書に基づいた洗浄度を確保することが大きな目的となるものです。
しかし経年によって少しずつ洗浄度が低下してしまうケースは多く、そうした汚染が事業にもマイナスの影響を及ぼすリスクは十分にあります。
日本水処理工業株式会社では、設計書通りの洗浄度を常に維持するために必要な清掃作業や測定作業を一括管理できます。

日本水処理工業株式会社のクリーンルーム清掃とは?

日本水処理工業株式会社では、事前に経験豊かなベテランスタッフが現地へ足を運び、具体的にどんな清掃が必要か、作業にはどのぐらいのスタッフ数と日数がかかるかを計算します。
清掃作業には、クリーンルーム専用のツールや設備を使った清掃作業を行います。
クリーンルーム内には粉塵を発生させる紙や布などの持ち込みは厳禁となっており、日本水処理工業株式会社では清掃スタッフが専用の清掃ツールを全て持参するので安心です。
例えば日本水処理工業株式会社が使用するクリーンルーム用掃除機は、特殊なフィルターを使って排気を純化した上で排出するため、クリーンルーム内の空気を汚染しないというメリットがあります。
水拭きする際には精製水を使い、粉塵を一切出さない特殊なクロスを使って行います。

清掃作業中には、スタッフは手を入念に洗って異物を取り除生き、無塵服を着用して作業祖行います。
上から下へ、奥から手前へと作業を行うことで、作業後にクリーンルーム内に異物や粉塵が残るリスクを最小限に抑えています。
清掃後には、パーティクルカウンターを使った清浄度を測定します。

また日本水処理工業株式会社では、定期メンテナンスの一環として、クリーンルームのフィルターメンテナンスにも対応しています。
ルーム内の清掃が行き届いていても、フィルターが汚れていたのでは、空間に入る空気そのものが汚染されてしまいます。
日本水処理工業株式会社なら、クリーンルームの管理維持に必要な作業に全対応が可能です。

シーズシー株式会社の紹介

シーズシー株式会社はどんな会社?

シーズシー株式会社は、兵庫県に本社を構え、クリーンルームの清掃作業に加えてクリーンルームに必要な設備や機器、備品の販売やコンサル業務などを幅広く行うクリールームのスペシャリスト集団です。
クリーンルームに関することならどんな小さなことでも対応してくれますし、ネットショップも運営しているため、機器や備品の購入に利用することも可能です。

シーズシー株式会社が提供するクリーンルーム清掃サービスの中には、クリーンルームの衛生度をチェックする測定サービスもあります。
衛生面で問題ないと思っているクリーンルームでも、実際にはパーティクルカウンターで測定できない汚れが蓄積しているケースは珍しくありません。
シーズシー株式会社では、そうした測定できない汚れに関しても、しっかりと丁寧に清掃します。

シーズシー株式会社は、専用の清掃機機を使って本格的に行う清掃業務によって、施工されたばかりの新品クリーンルームよりも高い衛生面を実現しています。
クリーンルームは新設時が最もきれいだという声はありますが、新設時でも実は金属加工によって出た切子をはじめ、保護シートから出たカスなど細かい汚れは多く残っているものです。
また、塗装面がわずかな干渉によってはがれたり、砂塵などの異物も少なくありません。
そうした汚れを、シーズシー株式会社はすっきりと清掃してくれます。

シーズシー株式会社のクリーンルーム清掃サービスとは?

シーズシー株式会社のクリーンルーム清掃サービスでは、ビフォーとアフターの状態を比較できる点が大きな特徴です。
まず事前にクリーンルーム専用のライトやパーティクルカウンターを使い、清掃する前の状態を記録として残します。
その上で、クリーンルームの清掃に精通したプロのスタッフたちが、クリーンルーム専用のシューズやウェアを持参し、清掃作業をスタートします。

清掃では、まずクリーンルーム専用の掃除機を使って粗いゴミから除去します。
それから純水もしくはエタノールとワイパーを使い、IPAによるより本格的なプロの清掃を行います。
シーズシー株式会社の清掃は、必ず上から下へ向けて行うだけでなく、奥から手前に向けて行うため作業後にわずかな異物も残しません。
また清掃作業では、クリーンルームライトを使いながら状況確認することも、清掃と並行して行います。
目視だけでなくパーティクルカウンターによるデータを取りながら、より完成度の高い清掃を行います。

シーズシー株式会社のクリーンルーム清掃は、基本的に内部は空の状態で行います。
クリーンルーム内に装置が置かれている場合にも対応は可能ですが、清掃スタッフは装置の養生作業は行わないため、清掃作業の前に社内でしっかり養生する必要があります。

株式会社シンシアの紹介

株式会社シンシアはどんな会社?

株式会社シンシアは東京都に本社機能を持ち、全国30カ所以上に業務拠点となる地区センターを展開している大手の清掃業者です。
日本全国どこにある業者に対しても対応できる点が大きな特徴で、クリーンルームの清掃以外にもカーペットやビルメンテナンス、布製のソファや空調ダクトなど幅広いオフィス設備のクリーニング業務を行います。
株式会社シンシアは、1969年に設立されて以来、環境整備やビルメンテナンス事業に大きくかかわってきました。
その中で培ったノウハウや技術、そして実績を元に高品質のクリーンルーム清掃サービスを提供します。

株式会社シンシアが対応できるクリーンルーム清掃では、床面はもちろんのこと床下や前室も丁寧に清掃します。
クリーンベンチやエアシャワーの清掃も可能ですし、クリーンケースの洗浄についても多くの実績があります。
また、フィルターや天井の清掃に加えて、壁や治工具の清掃業務にも問題なく対応ができます。
さらには、防塵衣を回収したりセッティングに関しても、株式会社シンシアがワンストップで対応可能です。

株式会社シンシアはどんな清掃をする?

株式会社シンシアが行うクリーンルームの清掃サービスは、複数の種類がラインナップされています。
日常清掃に加えて定期清掃、また特別清掃にも対応することが可能です。
まずは経験豊かなベテランスタッフが現地に足を運んだうえでカウンセリングを行い、具体的にどんな目的でどんなサービスが必要なのかを相談します。
その上で契約を締結したら、いよいよ清掃サービスが開始されます。

日常清掃では、ダストが溜まりやすい場所や発生しやすい場所を中心として、凹凸面や床面を中心としたクリーニングを行います。
清掃ではクリーンルーム専用の機材を使って行います。
日常清掃は、事前にどのぐらいの頻度で清掃するのかを定めた上でルーティンワークとして業務に取り組む点が特徴です。

定期清掃は、クライアントのニーズに合わせて定期的な頻度でクリーンルームの清掃を行います。
ラインが稼働している最中でも問題なく清掃できる点が、株式会社シンシアが提供するサービスの大きな特徴です。
特別清掃は、日常清掃や定期清掃では対応できない部分も含め、より集中的な清掃作業を行います。
天井や壁などの凹凸部分も含めてしっかり丁寧に清掃するため、クリーンルームの環境をリセットしたい時にオススメのサービスです。

株式会社シンシアの清掃サービスは、クリーンルーム内のダストを可視化することで、ダストが貯まりやすい場所を特定しながらスポット清掃する点が大きなメリットです。
清掃サービスの中で培ったノウハウや知識を元にコンサル業務も展開しており、クリーンルーム内の清浄度アップを目的とした対策についても提案しています。

NCC株式会社の紹介

NCC株式会社はどんな会社?

NCC株式会社は長野県を拠点として活動する清掃サービス業者です。
その中でも特にクリーンルームの清掃サービスには定評があり、クリーンルームの特徴を知り尽くしたプロのスタッフが大満足の清掃をしてくれます。

クリーンルームの清掃に関しては、多くの企業は自社内で日常清掃を行っていることが多いものです。
清掃を全くしないよりは日常清掃をした方が衛生面ではプラスですし、社員が日常清掃を行うことによって、職場の一体感や意識の向上といったソフトな面でたくさんのプラス効果が期待できます。
しかし残念ながら、日常清掃だけでは手が届かない場所があったり、清掃する場所としない場所でムラができるなど、デメリットも数多くあるものです。

また、丁寧な日常清掃できれいになったと思っていたクリーンルーム内の空間でも、10μmから100 μmサイズの粗大粒子は肉眼で確認することが難しいだけでなく、パーティクルカウンターを使っても測定できません。
そのため、清掃やクリーンルーム空調だけでは除去しきれない異物が少しずつ蓄積されてしまい、リーンではない空間になってしまうことも珍しくないのです。

NCC株式会社はどんなクリーンルーム清掃を行う?

NCC株式会社では、粗大粒子対策のスペシャリスト集団がクリーンルームに特化したプロの清掃サービスを行います。
クリーンルームが抱えやすい異物不良問題を提言できるだけでなく、作業効率や品質向上という点でも大きく貢献します。

NCC株式会社が行うクリーンルーム清掃は、まず床面を専用の掃除機で清掃した上で天井を水拭き清掃します。
電球などの細部もしっかり丁寧に清掃します。
壁の清掃は純水で水拭きをし、窓枠サッシや細かい凹凸部分などもスタッフが手作業で清掃をしていきます。
全ての清掃が終了したら、最後に床面を純水による水拭き清掃を行います。
これにより、パーティクルカウンターで検知できる異物も検知できない異物に関しても、高い清掃効果が期待できます。

NCC株式会社は、本社を抱える長野県に加えて近隣の岐阜県や山梨県、愛知県や静岡県などを広く営業対象地域としています。
関東エリアでは群馬県や埼玉県、神奈川県や茨城県などが対象となりますが、東京都や千葉県は対象外となるので注意が必要です。
また北陸地域においては、富山県ならサービス対象地域となっています。

NCC株式会社はニーズが高まっており、予約は1カ月以上先となります。
クリーンルームの新規立ち上げ時に清掃サービスを入れたいという企業をはじめ、定期的なメンテナンスやクリーンルーム監査対応で清掃が必要な場合、また自社清掃では対応しきれない天井や壁なども含めてクリーンルーム内すべてをリセットしたいという企業からも、数多くの依頼があります。

クリーンルームのメンテナンス

空調機の点検と修理

クリーンルームは定期的なメンテナンスが非常に重要です。
というのも、清浄装置が故障していたり、稼働状況が悪かったりしても作業員はその変化に気付くのが難しいからです。
クリーンルームの目的は空気中に汚染物質である微粒子を除去することですが、人間にはその微粒子を見たり感知したりすることができないので、本当にクリーンルームが機能しているかどうかがわからないわけです。

そこで、定期的にメンテナンスをして、すべての装置が正しく機能しているかを知る必要があります。
また、一つの装置でも不具合を起こすとクリーンルーム内の清浄度が下がり、製品の質低下を招きますので、故障する前に必要なケアをしておくべきです。

そのため、空調機は決められた期間ごとに必ず点検をします。
具体的にはガス漏れが生じていないか、ガス圧などをチェックします。
室外機の点検と共に、熱交換器部分に汚れが溜まりがちですので清掃を行う必要もあるでしょう。

空調機によっては消耗品も存在しますので、それぞれのパーツの耐用期間ごとに交換をしていきます。
機器の使用期間が長くなってきたら、早めに交換するかどうかを検討して必要に応じて交換作業を実施します。

フィルター交換のルーティーン

エアフィルターはクリーンルーム関連の装置の中でも特に重要な部分です。
フィルターに目詰まりが起きていたり、破れが生じていたりすると空気循環や清浄化に直接影響するからです。
そのため、クリーンルームで使用されることが多いHEPAフィルターや中性能フィルター、そしてプレフィルターは決められた期間ごとに交換することになっています。

中には、清掃することによって何回か繰り返し利用できる製品もあります。
その場合、メーカーによって決められた清掃方法できれいにします。
ただし半永久的に使えるわけではありませんので、使用回数を超えたらやはり交換する必要があります。

清浄度測定で動作チェック

メンテナンスをする度に清浄度の測定をします。
また、HEPAフィルターを使用しているのであればリークテストも実施します。
通常クリーンルームは、センサーによって常時清浄度のモニタリングがなされています。
しかし、メンテナンスによって装置の動作が変化したり、フィルター交換によって清浄度が変わったりすることがあります。

そもそもメンテナンスが正しく行われクリーンルームが確実に機能しているかはテストをしないと分かりません。
そこで、必ず一定時間稼働させた状態で測定をして、問題のない清浄度を確保できているかを確かめるのです。
場合によっては、メンテナンスの前と後での比較をしたり、通常時との数値変化があるかをチェックしたりすることもあります。

ミニエンバイロメントとは

ミニエンバイロメントとは?

ミニエンバイロメントとは、工場全体を同じ清浄レベルにする、もしくはクリーンルームにするのではなく、製品の周辺や特定の作業スペースのみを高い清浄レベルに保つことです。
具体的には、工場の中の特定のエリアに仕切りをして、そこに排気装置やエアフィルターなどを設置することによって局所的なクリーンルームを作ることが多いです。
工場全体としてはほとんどのスペースで高清浄度化をする必要がない場所で、本当に必要な部分のみを囲って精密部品等の加工や搬送をする際に使われます。

これは局所清浄化技術と呼ばれることもあり、工場内のいくつかのエリアを清浄化レベルによって分けることも可能です。
特に汚染物質を持ち込んではいけないエリアでは、高精度のエアフィルターを設置するなどして部分的に清浄度を上げるものの、他の部分はもう少しクラスを下げるといった使い方をします。
こうすることで、作業目的に合った空間を作ることができ、無駄なコストを削減できるのです。

ミニエンバイロメントを設置するメリット

ミニエンバイロメントを設置するメリットは、まず既存の工場を有効活用できることにあります。
全体をクリーンルーム化するとなると、大規模な改修もしくは工場全体の建て替えが必要となることがあります。
もちろん、工場の全てのエリアで高清浄化しなければいけないのであれば、大規模な修繕も必要となることでしょう。
しかし、クリーンルームを使う作業スペースが小さくても問題ないのであれば、わざわざ工場全体に導入する必要はなく、ミニエンバイロメントの技術を利用するだけで十分です。
こうして既存の工場に大きな手間をかけることなく新しい事業を始められますし、クリーンルーム以外のスペースでは異なる作業ができるなど、敷地の最大活用ができるのです。

そして、コストを削減できるのもメリットです。
より小さなクリーンルームで済みますので、導入するエアフィルターや強制換気装置などを小さなもの、もしくは少量で済みます。
また、稼働させるためのエネルギーコストや、定期的に交換が必要なフィルターの費用なども節約できます。
クリーンルーム維持には初期投資、ランニングコスト双方でそれなりの費用がかかりますので、無駄なく資金を使うためにはミニエンバイロメントが適しています。

作業員の負担が減るのもメリットです。
本来不必要なのに全体をクリーンルーム化してしまうと、別の作業をする作業員もエアーシャワーを浴びたり、クリーンスーツを着用したりと余計な作業を強いられます。
しかしミニエンバイロメントとすれば、そこで作業をする人だけが準備をすれば良いので、負担が軽くなりますし準備に伴う時間を浪費しなくても済みます。

クリーンルーム業務のデメリット

クリーンルーム作業の大変なところ

クリーンルーム内での作業は、通常の環境での仕事とは違う面がたくさんあります。
全体的に言える点は、規則が厳しいところでしょう。
外部から汚染物質を持ち込まないために、入室前にたくさんの準備をしなければなりません。
髪の毛をまとめることや手袋をすること、携行品を置いていくこと、靴を専用のものにすることなどから始まり、エアーシャワーを通って入るなどの手順を踏む必要があります。

こうした準備が面倒で、最初のうちは手順やルールを覚えるのに苦労するかもしれません。
また、専用のクリーンスーツを着用するのも人によっては大変でしょう。
着替えが面倒ということもありますが、動きにくいと感じる人もいますし、汚れたら交換しなければいけないといった規則もあります。

クリーンルームで行われる作業そのものが大変と思うこともあるでしょう。
人員配置の関係から、決められた時間までに決められた工程をすべて完了することが求められます。
仕事に慣れるまできついこともあるでしょうし、ノルマを終えるまでは残業となることも珍しくありません。

そして、こうした工場作業はほとんどの工程で単純作業の繰り返しです。
飽きてしまいますし、同じ動きしかしないので体が痛くなることもあります。
また、チームでの流れ作業をする関係で、一人が抜けると流れがストップしてしまうためトイレに行きづらいという事情もあります。

クリーンルームに向いてない人とは?

クリーンルームの作業が向いていない人としては、単調な作業を黙々とするのが耐えられないという人が挙げられます。
集中力が持たないとか、しばらくすると仕事が嫌になってしまうようだとクリーンルーム作業は続けられません。
また、ルールに縛られるのが面倒であるとか、細かな手順を踏んで行くのが疲れるという人も向いていません。
毎回決まった手順を踏んで行かないと、そもそもクリーンルームの中にすら入れませんので、仕事をしていくのは難しいです。

他にも、体を動かして体力を使う仕事がしたいと感じているのであれば、クリーンルーム作業は向いていません。
もちろん作業自体は体を動かすのですが、手元だけを動かすことがほとんどで、しかも小さな動きをひたすら繰り返すだけです。
そのため同じ姿勢をしていると腰が痛くなるとか、足がむくんできついという人は厳しい作業条件となります。

メリット・デメリットを比較して仕事を選ぼう

クリーンルーム業務は大量に募集がかかることもありますし、未経験でも採用されやすいなどのメリットがあります。
また、工場によっては高い時給がもらえるものです。
こうしたメリットもありますので、上記のようなデメリットと比較して、自分に合った仕事なのかを考えて決めましょう。

クリーン度と換気回数の違い

クリーン度とは?

クリーンルーム内の清浄度は常にモニタリングして、一定基準以上に保っておく必要があります。
そのためには明確な指標が必要となり、この指標がクリーン度と呼ばれるものです。
クリーン度はいくつかの規格があり、現場によって採用している規格が異なるケースがあるので注意が必要です。

日本で以前からよく使われているのが「FED規格」と呼ばれるものです。
これは、クラスを1、10、100と桁数で表示するもので、1立法フィート当たりの空間にどれだけの粒子があるかという基準で数値化しています。

粒子は直径0.5μm以上のものをカウントすることになっていて、最高レベルのクラス1では、粒子数は1個以下です。
クラス10では粒子数は10個、クラス100では100異なっていて、クラスカテゴリーがそのまま粒子数で表示されます。
このFED規格は業界で広く慣習として使われてきたものですので、設置業者などもこの規格に基づいて説明をすることが多いです。

もう一つの企画は「ISO規格」です。
正式には「ISO-14644-1」というもので、世界中で統一されている規格となっています。
この規格は、微粒子の大きさと数によってレベルを分けているのが特徴です。
たとら、0.1μm以下の粒子が10個以下であればISO1の最高レベルとなります。

0.2μmの粒子の場合は、2個以下であればISO1をクリアします。
0.1μm粒子が100以下となるとISO2になり、0.5μm粒子が4個以下でもISO2となります。
このように、FED規格と違い粒子の大きさも関係してくるので、より細かな判定ができるのがメリットです。

クリーン度に応じて換気回数が変わってくる

どちらの基準であっても、それぞれのクラスによって換気回数を見極めるのがクラス判定をする目的です。
たとえばFED規格では、クラス100のクリーンルームでは1時間あたり250回から400回の換気が必要となります。
クラス100は、液晶や半導体製造工場などが該当する清浄レベルです。
クラス1,000は病院の手術室が該当しますが、換気回数は1時間当たり150程度となっています。
このように、求める清浄クラスを把握し規格を当てはめると、必要な換気回数が簡単に割り出せるというわけです。

そして、換気回数を割り出したら、クリーンルームの容積や必要な空気の量などを計算することができます。
それにより最終的に必要な風量が見えてきますので、空調機器のスペックを比較して最適な機器を選定できるのです。
ただし、内部における作業の内容やドアの開閉頻度などによっても求められる清浄機能が異なることもありますので、総合的に考えて判断することが重要です。

クリーンルームの代表的な空調方式

オールフレッシュ式のクリーンルームの特徴

一口にクリーンルームと言っても、それぞれに空調方式や換気方式が異なります。
代表的な換気方式としてはオールフレッシュ式というものがあります。
これは新鮮な空気をすべて取り入れた後に、温度や湿度を調整し洗浄してから室内に送り込むという方式です。
もともと室内に循環していた汚染されている空気は、そのまま外に排気することになります。
そのため、室内の空気を洗浄したり空調したりすることはなく、完全に空気が入れ替わるのが特徴です。

室内の空気の汚染度が高い環境や、常に高い洗浄レベルを維持していなければならない現場で使われることが多いのがオールフレッシュ式です。
具体的には病院の手術室はフレッシュな空気を必要とするため、オールフレッシュ式が採用されるケースが多いです。
また、温度や湿度の管理がしやすいので、室内環境を一定に保ちやすいというメリットもあります。

他の特徴としては、内部で化学薬品や有機溶剤を使っている現場で使用される傾向があります。
空調機器の特性上、装置を劣化させる化学物質を使っていると、汚染された空気を再利用する方式だと機器が破損する恐れがあります。
しかし、オールフレッシュ方式だと汚染された空気を排出するだけなので問題なく利用できるのです。
また、換気の効率が良いので人の出入りが多いとか、ドアの開閉が多いシーンであっても清浄度を保ちやすく復元性が良いというのもメリットです。

一方で、機器の導入費用が高くなります。
また、より多くのエネルギーを消費するためランニングコストが上がる傾向も見られます。
そのため、経済性に劣ることからより重要度の高いクリーンルームにのみ採用されることが多いです。

循環式の空調について

循環式は、一定程度外部のフレッシュな空気を取り入れることはありますが、内部の空気を使って室内環境を維持する方式です。
内部の空気を一度取り入れ、それを清浄化させ、温度と湿度の調整をした上で再び室内に戻すことになります。
オールフレッシュ方式ではすべて外部の空気でしたが、循環式では内部の空気を使うという点で違いがあります。

この循環式は経済性に優れるのが大きなメリットです。
装置導入コストが安く付きますし、外部の空気の取入れや室内空気の全排出をしないため、ランニングコストも下がる傾向にあります。
また、室内で製造作業によって粉塵が発生しないのであれば、それほどエアフィルターの交換をする必要がなく、メンテナンスが楽になるというのメリットです。

一方で、室内の空気をいわば再利用するという構造上、室内で有機溶剤などの化学薬品を使用する環境では利用できません。
また、ドアの開閉が多いところでは、復元性があまり良くなく清浄度を保ちづらいケースも見られます。