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クリーン度と換気回数の違い

クリーン度とは?

クリーンルーム内の清浄度は常にモニタリングして、一定基準以上に保っておく必要があります。
そのためには明確な指標が必要となり、この指標がクリーン度と呼ばれるものです。
クリーン度はいくつかの規格があり、現場によって採用している規格が異なるケースがあるので注意が必要です。

日本で以前からよく使われているのが「FED規格」と呼ばれるものです。
これは、クラスを1、10、100と桁数で表示するもので、1立法フィート当たりの空間にどれだけの粒子があるかという基準で数値化しています。

粒子は直径0.5μm以上のものをカウントすることになっていて、最高レベルのクラス1では、粒子数は1個以下です。
クラス10では粒子数は10個、クラス100では100異なっていて、クラスカテゴリーがそのまま粒子数で表示されます。
このFED規格は業界で広く慣習として使われてきたものですので、設置業者などもこの規格に基づいて説明をすることが多いです。

もう一つの企画は「ISO規格」です。
正式には「ISO-14644-1」というもので、世界中で統一されている規格となっています。
この規格は、微粒子の大きさと数によってレベルを分けているのが特徴です。
たとら、0.1μm以下の粒子が10個以下であればISO1の最高レベルとなります。

0.2μmの粒子の場合は、2個以下であればISO1をクリアします。
0.1μm粒子が100以下となるとISO2になり、0.5μm粒子が4個以下でもISO2となります。
このように、FED規格と違い粒子の大きさも関係してくるので、より細かな判定ができるのがメリットです。

クリーン度に応じて換気回数が変わってくる

どちらの基準であっても、それぞれのクラスによって換気回数を見極めるのがクラス判定をする目的です。
たとえばFED規格では、クラス100のクリーンルームでは1時間あたり250回から400回の換気が必要となります。
クラス100は、液晶や半導体製造工場などが該当する清浄レベルです。
クラス1,000は病院の手術室が該当しますが、換気回数は1時間当たり150程度となっています。
このように、求める清浄クラスを把握し規格を当てはめると、必要な換気回数が簡単に割り出せるというわけです。

そして、換気回数を割り出したら、クリーンルームの容積や必要な空気の量などを計算することができます。
それにより最終的に必要な風量が見えてきますので、空調機器のスペックを比較して最適な機器を選定できるのです。
ただし、内部における作業の内容やドアの開閉頻度などによっても求められる清浄機能が異なることもありますので、総合的に考えて判断することが重要です。