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ミニエンバイロメントとは

ミニエンバイロメントとは?

ミニエンバイロメントとは、工場全体を同じ清浄レベルにする、もしくはクリーンルームにするのではなく、製品の周辺や特定の作業スペースのみを高い清浄レベルに保つことです。
具体的には、工場の中の特定のエリアに仕切りをして、そこに排気装置やエアフィルターなどを設置することによって局所的なクリーンルームを作ることが多いです。
工場全体としてはほとんどのスペースで高清浄度化をする必要がない場所で、本当に必要な部分のみを囲って精密部品等の加工や搬送をする際に使われます。

これは局所清浄化技術と呼ばれることもあり、工場内のいくつかのエリアを清浄化レベルによって分けることも可能です。
特に汚染物質を持ち込んではいけないエリアでは、高精度のエアフィルターを設置するなどして部分的に清浄度を上げるものの、他の部分はもう少しクラスを下げるといった使い方をします。
こうすることで、作業目的に合った空間を作ることができ、無駄なコストを削減できるのです。

ミニエンバイロメントを設置するメリット

ミニエンバイロメントを設置するメリットは、まず既存の工場を有効活用できることにあります。
全体をクリーンルーム化するとなると、大規模な改修もしくは工場全体の建て替えが必要となることがあります。
もちろん、工場の全てのエリアで高清浄化しなければいけないのであれば、大規模な修繕も必要となることでしょう。
しかし、クリーンルームを使う作業スペースが小さくても問題ないのであれば、わざわざ工場全体に導入する必要はなく、ミニエンバイロメントの技術を利用するだけで十分です。
こうして既存の工場に大きな手間をかけることなく新しい事業を始められますし、クリーンルーム以外のスペースでは異なる作業ができるなど、敷地の最大活用ができるのです。

そして、コストを削減できるのもメリットです。
より小さなクリーンルームで済みますので、導入するエアフィルターや強制換気装置などを小さなもの、もしくは少量で済みます。
また、稼働させるためのエネルギーコストや、定期的に交換が必要なフィルターの費用なども節約できます。
クリーンルーム維持には初期投資、ランニングコスト双方でそれなりの費用がかかりますので、無駄なく資金を使うためにはミニエンバイロメントが適しています。

作業員の負担が減るのもメリットです。
本来不必要なのに全体をクリーンルーム化してしまうと、別の作業をする作業員もエアーシャワーを浴びたり、クリーンスーツを着用したりと余計な作業を強いられます。
しかしミニエンバイロメントとすれば、そこで作業をする人だけが準備をすれば良いので、負担が軽くなりますし準備に伴う時間を浪費しなくても済みます。