無菌室病室

無菌室病室への設置

無菌室クリーンルームが設置される主な場所として、次に紹介するのは「無菌室病室」です。
名前の通り病院に設置されるものであり、主にがん治療などの目的で利用されています。
病院というとそのままならば病原菌などが多い場所ですが、何故その中に無菌室病室のようなクリーンルームが必要となるのでしょうか。
その理由ががん治療の際に用いられる方法の1つである「抗癌剤治療」です。

抗癌剤というのは、通常の化学薬品に比べても非常に成分が強いものです。
そのため、体内における白血球が極端に減少し、免疫機能が大きく低下してしまうことに繋がります。
つまり、健常な人であれば何の問題もないような細菌であっても、大きな問題を引き起こしてしまう可能性があるわけです。
いわば人工的に免疫不全になっている状態ですから、出来るだけ菌を寄せ付けないような環境を作ることが必要になります。

では、実際に無菌室病室はどのように使用されているのでしょうか。
可能な限りの無菌を実現するためには、室内の設備はもちろんのこと、入る人の行動にも制約を設ける事が必要になります。
そのため、医師や看護師はもちろんのこと、面会の家族も厳しいルールを守って入室しなければなりません。
それでは、どのようなルールが設定されていることが多いのでしょうか。

無菌室病室のルール

まは、「設備を最低限にする」というのが第一のルールです。
クリーンルームとしての性能を発揮することが出来る範囲は狭いため、出来るだけ少ないものしか置かないようにすることで実現しようとするものです。
医療機器や輸液ポンプなどによってさらにスペースは限られているため、その中でおくことが出来るものは限定されます。

さらに、持ち込むものについても事前の相談が必要となります。
例えば生花のようなものは、衛生上問題があるとして持ち込むことが出来ない場合が多いでしょう。
必ず医師・看護師と相談をして、持ち込んで良いものといけないものを判断して貰う必要があります。

清潔な環境を保つためには、毎日の整理整頓も重要なポイントとなります。
ベッド周りやテーブル周りなどは常に清掃を行い、ほこりなどが溜まってしまわないように配慮します。
アルコールティッシュなどを使って掃除をすることで、事前に防いでいることが多いでしょう。

さらに、患者本人の清潔を保つためには、出来る限りシャワーに入ることも重要です。
ただし発熱がある場合には症状が悪化することが考えられるため、可能な範囲で、ということになります。
排泄を行う場合もウォシュレットが付いている物を利用し、細菌がそのままクリーンルーム内に入ってしてまうことを避ける必要があります。
基本的に外出することは出来ない仕組みとなっています。