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酸素欠乏危険作業主任者

クリーンルームでも酸欠事故が起こる可能性があるので最大限の注意が必要

普通に生活をしている中では、酸欠事故というのはそうそう起こりません。
しかし、冬にストーブを付けたら不完全燃焼が起きて一酸化炭素が発生したり、遊びでガスを吸って体調を悪くしたりといったことが起こります。

そして、酸欠事故で最も多いのが作業現場です。
たとえばタンク清掃作業やトンネルや下水道の工事、海中作業といったものが高リスクだとされています。
それに加えて、実はクリーンルーム内における作業でも酸欠事故が起こることがあるのです。

酸欠状態というと、かなり空気が薄くなっている状態を思い浮かべる人が多いですが、実際には酸素濃度がたった5ポイント下がるだけでもはっきりとした酸素欠乏の自覚症状が出てきます。
さらに濃度が低い状態に置かれると、一回呼吸するだけでも失神し、すぐに死亡に至るケースもあるのです。

この酸素欠乏症が恐ろしいのは、危険性が見えないところです。
酸素が足りない空間であるというのは目に見えないことですし、その空気を吸っても症状が出るまで知覚することができません。
そして何らかの症状が出ても、経験や知識がない人はそれが酸素欠乏によるものだと分からず、必要な対策も取れないまま危険な状態に陥ってしまうのです。

クリーンルーム内でも同じことが起こり得ます。
外部からの汚染空気を流入させないため高密閉ですし、外部と遮断していますので、換気装置が故障するなどして空気の循環がないとあっという間に酸素濃度が低下します。
また、クリーンルーム内で化学薬品の製造や塗装などの作業をしていると、酸素以外の濃度が上昇して相対的に酸素欠乏症となってしまうことがあります。

酸素欠乏危険作業主任者とは?

こうしたリスクの伴う場所は、労働安全衛生法施行令によって指定されています。
高リスク箇所での作業をする場合には、酸素欠乏危険作業主任者を配置する必要があります。
この酸素欠乏危険作業主任者という資格を取るためには、酸素欠乏がどうして生じるのか、酸素欠乏症の症状にはどんなものがあるのかなどを知識を学ぶ必要があります。
その上で、空気呼吸器の使用法や、万が一事故が生じた場合の避難や救助の方法、そして酸素欠乏事故が起こらないための防止策などについての専門的な知識を持っていなければなりません。

酸素欠乏危険作業主任者を法律上配置しなければならない場所で、当然資格者を置くことになります。
その必要がなくても、ある程度リスクが生じる場所での作業があるなら、感連する知識を得ておくと良いでしょう。
そうすることで、作業者の安全を確保できますし、予測していなかった事態が生じても被害を最小限に抑えられるからです。