洗浄剤

洗浄剤にはどんな種類がある?

工業の分野の中でも洗浄作業に使われる洗浄剤には、さまざま種類があります。
市販されているものだけをカウントしても数千の商品がありますが、それらを大きく分類すると、3つのタイプに分けることができます。

1つ目は、水系洗浄剤です。
これは工業用洗剤で、アルカリ性や酸性、そして中性のタイプがあります。
一般的には洗浄剤を使って洗浄した上で、水で洗い流して乾燥させるという使い方をします。

2つ目は、準水系洗浄剤・グリコールエーテル系の洗浄剤です。
これは溶解力が高いグリコールエーテルと水を混ぜて使うのが特徴の洗浄剤で、危険度はそれほど高くはない非危険物に属する洗浄剤です。
使い方は水系洗浄剤と同じで、洗浄剤を使って洗浄した上で水を使って洗い流し、乾燥させればOKです。

3つ目は溶剤系の洗浄剤で、フッ素や炭化水素、アルコールや臭素、塩素など様々な溶剤系の化学成分によって作られている洗浄剤のことを総称したものです。
洗浄剤で洗浄した後に水で洗い流す必要がないという点が特徴で、1つの液で洗浄から乾燥に対応しています。
蒸留再生することもできるのが特徴で、洗浄液によってはリサイクルしながらリピート使用が可能です。

洗浄液の特徴は?

洗浄液には様々な種類がありますが、その中でもコストで選ぶなら有機溶剤系のものがリーズナブルです。
1液で洗浄から乾燥まで対応できるという点と、リサイクルしながら使えるという点で工業分野においては長く使われてきました。

しかしこのタイプの洗浄液には、毒性があります。
人体にマイナスの影響を及ぼすこともあるため、特定化学物質としての排出量を把握しなければいけなかったり、届け出や水質汚濁防止法を遵守することも求められます。

そうした点を改善した上で代替洗浄法として登場したのが、炭化水素洗浄剤や水系洗浄剤です。
コスト面では若干の割高となりますが、人体への安全性や自然保護という面においてはメリットが多く、近年では大きく注目されています。
中でも炭化水素洗浄液は水系洗浄剤のように水で洗い流す作業が不要なため、近年では溶剤洗浄液に変わって手中となっているのが特徴です。

洗浄液の用途

工業用の洗浄液は、多種多様な分野や業界で使われています。
家具や家庭用品の表面洗浄に使われたり、衣類やカーテン、カーペットなどの繊維製品にも使われます。
また、ビルや住宅などの建造物や、車や電車などの車両にも、洗浄液が使用されています。

工業用洗浄液を使った洗浄を行うことは、機器や製品の表面の見た目を良くできるだけでなく、機能面も正常な状態へと近づけることができます。
どんな素材の表面を洗浄するかによって、適切な洗浄液を選ぶことで、満足度の高い仕上がりを手に入れることができます。
洗浄液を使わなければ経年劣化による審美面での低下が著しくなるほか、機能面でも不調が起こりやすくなってしまいます。