クリーンルームで手袋を着用する目的
クリーンルーム内では、衣類や靴などから発生する塵やホコリなどの異物を徹底的に遮断するだけでなく、人間の体から落ちる皮脂や汗、体毛などに関してもブロックしなければいけません。
クリーンルーム内で作業をする際、大半は人間の手を使いますが、手から分泌される皮脂や異物などがうっかり製品に付着してしまうと品質不良やスクラップの原因となってしまうため、注意が必要です。
クリーンルーム内で手袋を着用するのは、そうした異物の付着を予防するという目的があります。
クリーンルーム内で付着する手袋には、サイズが多種多様というだけでなく、素材に関しても複数のタイプがあります。
例えば石油系の合成ゴムで作られているニトリル手袋をはじめ、天然ゴムを素材とするラテックス手袋や、ポリエチレンやプラスチック製のインナー手袋なども挙げられます。
クリーンルーム内がどのぐらいのクリーンレベルを要求するのか、また作業に当たるスタッフの手のサイズに合わせて適したものを使うことが、クリーンルーム内の手袋選びの点ではとても重要です。
手袋の運用はどうすれば良い?
クリーンルーム内での手袋着用は、作業工程で手袋が必要な目的や作業内容、また手袋に求められる機能などを総合的に判断しなければいけません。
手にフィットするサイズ感はもちろん必要不可欠な条件ですが、作業工程において温度や化学製品に対する耐性が必要なのかどうかといった点も手袋を選ぶ際には大きなポイントとなるでしょう。
また手袋の着用に関しては、作業員全員が同じルールに沿って着用することも大切な運用方法です。
手袋を着用する際の順序や、いつどのタイミングで手指消毒をするのか、着脱はどこでどんなタイミングで行えばよいのかと言った細かい点をルールとして明確化しておくことで、クリーンルームの衛生環境を高く維持できます。
クリーンルーム内で着用するものには、手袋だけでなくシューズやウェアなどもあります。
それぞれ洗濯方法や交換時期などが異なるため、手袋に関しても、誰がどのように洗濯などのメンテナンスを行うのか、その頻度や場所、方法などを明らかにするのが賢明です。
また交換時期に関しても明示した上で、配布時期と交換時期を管理するスタッフを決めておくと良いでしょう。
クリーンルーム内で使用する手袋は、常に清潔な状態であることが求められます。
しかし作業する場所や作業内容によっては、手袋が少しずつ汚染されてしまうことは否めません。
その場合には、汚染状況に合わせた交換やメンテナンス作業なども必要となるでしょう。
また、製品や商品の汚染に直接的な影響を与えやすい手袋は、外部機関によるふき取り検査なども実施するのがおすすめです。