エアシャワーとは
クリーンルームの中は確かに清浄な環境が形成されているのですが、そこに入る人にホコリやゴミがついていれば意味がありません。
したがって、クリーンルームの中に入る人も清浄な状態になっている必要があります。
それを可能にするのがエアシャワーなのです。
エアシャワーはクリーンルームの出入口についており、人や物についているゴミやホコリを吹き飛ばしてくれます。
これのおかげで、クリーンルーム内をキレイな環境に保つことができるのです。
クリーンルームにとってはエアシャワーは必須のものであり、切っても切れない関係にあります。
エアシャワーの基本仕様について
まず、エアシャワーにはそれぞれ風速が設定されています。
メーカーによって数値は微妙に異なりますが、大体20から30メートル毎秒に設定されていることが多いです。
この値は台風と同じぐらいであり、とても強い風が吹き出すのです。
基本的に人間や物の表面についた異物はそれに吹き付ける風の速さ比例してよく落ちることが分かっています。
したがって、エアシャワーの風速が速いほど性能が良いのです。
また、風量も重要な要素となります。
これは空間を清浄化するための力と深く関連しています。
当然風量が多いほど、より速く清浄化を進めることが可能となっています。
エアシャワーにはフィルターが内蔵されているのですが、これの捕集効率も大切です。
捕集効率が良いほど、より多くの粒子を捕集することができるため、クリーンルーム内がキレイな状態となります。
製品にはタイマーが設定されており、どのくらいの時間動作するのかを決められます。
基本的には最低でも20秒程度は必要であるとされています。
あまりにも短いときちんと汚れを捕集することができず、空気中に拡散してしまう可能性が高いからです。
インターロックを設定することができるエアシャワーもあります。
また、アルコール噴霧器や手洗器などと連動させることができるものもあり、これを利用すれば手を洗ったり、アルコール消毒していない人の入室を禁止することが可能です。
閉じ込め防止のための解除ボタンがついているため、中にいる人も安心して作業に集中できるでしょう。
このようにさまざまな基本仕様を持つエアシャワーを使うことによって、クリーンルーム内を清浄化できます。
人の周りには実は目に見えない小さなゴミが漂っており、人が動くと気流に乗って一緒についてきてしまいます。
このような小さなゴミでもエアシャワーであれば除去することができます。
エアシャワーによって落とせる汚れとして、毛髪や繊維くずなどを取ることが可能です。
ただし、人の皮膚片やあまりにも小さな異物についてはエアシャワーだけでは完全に取り除くことが難しいです。