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クリーンルームの清掃

清掃の注意点

クリーンルームを利用する環境は、すなわち常に清潔が保たれていなければ問題がある環境ということになります。
クリーンルーム内の清潔は空調等によってある程度維持されるようになっていますが、それでも長く使っていると段々と汚れが溜まっていってしまうのは仕方が有りません。
そうなった時にはやはり内部の清掃を行う必要があるわけですが、クリーンルームの清掃については注意をしなければならない点が有ります。
それは「清掃行為がそのまま汚染行為になってしまう可能性がある」ということです。

トップページでも述べましたが、人体というのは基本的に汚れの巣窟です。
クリーンルームの中でちょっとでも間違った立ち振舞をすると、却って汚れをばらまいてしまうことに繋がることに自覚的でなければなりません。
その上で、そういった問題が起こらないような清掃のルールを確立し、その通りに清掃を行う必要があります。
それはやることを決めるというだけではなく、やる順番を決めるということや、その前段階の準備を決めるということでもあります。

では、基本的なクリーンルームの清掃手順がどのようなものになるのかについて紹介します。

清掃の手順

クリーンルームの清掃においては、まずは掃除機を使った清掃を行うことになります。
クリーンルーム用の掃除機については別の記事でも紹介しましたが、ここで利用するのは「真空掃除機」と呼ばれるタイプのものです。
このタイプの掃除機は排気が極めて少ない、あるいはゆっくり排出されるようになっているために、吸い込んだ汚れをそのまま放出してしまい、却って汚れを散らしてしまうという心配がありません。
フィルターも細かい物を利用しているために、微細なものであっても業務に支障が出る、という場合でも問題なく利用できるでしょう。

真空掃除機としてよく利用されるのは、HEPAやULPAと呼ばれるフィルターを内蔵しているものか、セントラル方式と呼ばれるものです。
これと合わせて行わなければならないのが、バキュームという工程です。
バキュームでは真空掃除機が対応しているよりも大きな粒子の掃除を行うのに利用します。
細かい粒子まではフィルターで受け止める事ができないため、掛ける順番に注意するようにしましょう。

さらに、拭き掃除もする必要があります。
掃除機では吸い取りきれない小さな汚れを取り除くために行うものですが、この際注意しなければならないのは純粋を使って掃除をするということです。
水道水のように不純物を含む水で拭き掃除をすれば、汚れを広げてしまうだけで意味が有りません。

そして、これは通常の掃除の場合にも共通していえることですが、基本的に掃除は上から下に向けて行います。
こうしないと上の汚れが下に落ちてしまい、二度手間になります。