大がかりに出来ない場合
クリーンルームを設置したいものの、大掛かりなクリーンルームは高額過ぎて設備投資をすることが出来ない、という場合もよくあります。
特に予算の小さいなかでやりくりしている中小企業などの場合、あまり大掛かりな設備投資をするとそのせいで赤字になってしまい、業績全体に悪影響が及んでしまう可能性があります。
ただ、そのままクリーンルームの設置を見送り続けていると、今度は製品のクオリティに問題が発生してしまう可能性があるというダブルバインドです。
そういった「予算がないけれどクリーンルームが必要」というタイミングで利用することができるのが「簡易クリーンルーム」というものです。
通常は部屋の設計などから行い、完璧な空調設備によってクリーンルームを作成するのですが、簡易クリーンルームは元々ある部屋を利用し、そこに空調システムを導入することによってクリーンルームを実現するというものとなります。
そのためら、新しく部屋を設計する必要がないため、予算を大幅に抑えることができるでしょう。
もちろんクリーンルームとしての性能は専用のものに比べると落ちることになりますが、費用対効果を考えると十分な効果を期待することができるものも多いのです。
簡易のメリット
それでは、簡易クリーンルームを利用することによってどのようなメリットがあるのか、ということについて紹介します。
まず1つ目のメリットはすでに紹介したように「安価」で設備を作ることができるというところです。
一般的なクリーンルームの場合よりもかなり安い金額で購入することができるため、イニシャルランニングコストを抑えることができ、業績に悪影響を与えにくいものとなります。
2つ目のメリットは「短期間」で設備を作ることができる点です。
専用の部屋を設計するわけではなく、空調システムだけを導入する仕組みとなるため、通常よりもかなり短い工期で完成させることが出来ます。
もちろん施工業者にもよりますが、通常のクリーンルームの設置に3週間程度かかるのに対し、簡易クリーンルームであれば1週間そこそこで完成させることができます。
迅速に導入したい、その間工場が停止してしまうのは困る、というような場面で活躍することができるでしょう。
そして3つ目のメリットは「省電力」であるということです。
通常のクリーンルームは維持するために大きな電力が必要となるため、専用の発電機などを用意する必要があります。
しかし、簡易クリーンルームの場合の空調設備は一般的なコンセントからの給電でも足りるような電力で設計されています。
そのため、特別な電力供給体制を整える必要がなく、今あるものを利用することができるのも手間とお金がかからない理由です。